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2019/11/07 17:34

和紙と「にじみ」についてのコラム、3回目は、
やや番外編な内容です。

前回のVol.2コラムにて、にじみくい和紙には下記の2つの
どちらかの理由がある、と書きました。

・原料ににじみにくい上質な天然繊維を使用している
・薬品でにじみ止め処理をしている
(詳細はVol.2のコラムをご覧ください)

実はもうひとつ、和紙を加工する手段があります。

それは、自然素材を塗ったり混ぜたりする、昔ながらの方法です。

どんなものがあるかといいますと、
・ドーサ(膠と明礬)
・土
・こんにゃく糊
・柿渋
・うるし
などです。

ただし、これらで加工した紙は、限られた場所で販売されており、
使い手さん自身が加工する場合も多いため、
手に入りにくく専門性の高い手法とも言えます。

またこれらはにじみ止め(撥水加工)に限らず、
紙を強くさせたり固くさせたり、
あるいは保存性を高めたりと、和紙の機能を高める役割を
担っているものが多いです。

私自身も天然素材を使用した和紙の後加工については日々模索中。
まだまだ解らないことばかりではありますが、
試すたびに昔の人の知恵は本当にすごい!と、感心させられるばかり。

最近では国連の掲げるSDGs(持続可能な開発目標)について
意識した製品も多く見かけるようになりました。
利便性だけではない、さまざまな魅力と可能性を秘めた和紙は、
まだまだ注目する価値があると感じています。

WACCAでは、漉いたままの自然な紙を多く取り扱っています。

毎月不定期にWACCAのオフィススペースにて営業しておりますOPEN SHOPでは、
ご自分の使われる画材や筆記具をお持ち込みいただいて、
購入前に試し書き(描き)していただくスペースを設けています。
(2019年11月・12月のOPEN SHOP営業日はこちらをご覧ください)

試し書き用の紙をご用意いたしますので、
ご希望の方は事前にご連絡ください。
問い合わせ先:mm@wacca-paper.jp(森崎)