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2019/10/28 19:22

「この紙はにじみますか?」

というお問い合わせをよくいただきます。

和紙は「にじみやすい」というイメージがあるようです。

さて、ちょっとお話が逸れますが、
「にじむ」という日本語は英訳するのがとても難しい。

run, smudge, feathering, bleed through...

確かにどれも「にじむ」の意味合いではありますが、
どれもネガティブな意味合いです。
日本語の「にじむ」のように、美しさを表す、
プラスのニュアンスを含む言葉が見つからないのです。

「にじみ」「ぼかし」「かさね」など、
曖昧な色合いや表現を好む文化の日本。

西洋の水彩画は水をたっぷりと含ませることで、
にじみやぼかしの表現を創り出します。

それに対して紙そのものににじみの効果を持たせる和紙。
日本の美意識は、「にじみ」に対してとても積極的と言えます。

ぜひ和紙の風合いとともに「にじみ」も楽しんでいただきたいと思います!



にじみを味わえる和紙製品を2点、ご紹介いたします。



HP01 藁半紙 20枚入

稲藁にはにじみ止めの効果があるといわれており、
古くから半紙などに混ぜて使用されてきました。
程よく墨が伸びて滲みすぎない、心地よい書き心地の半紙です。

この記事のトップの写真もこの藁半紙を使用しています。
水彩毛筆 SAI(あかしや)で書くと、軽くじ滲み味わいのある雰囲気になります。


IP003 山叶製紙 一筆箋 花水木

とにかくにじみが美しい画仙紙の一筆箋。
墨の色ってこんなに豊かなんだ!と惚れ惚れしてしまう、
美しいグラデーションを表現してくれる和紙です。
その反面、小筆で濃い墨で書くとあまりにじまないので、
幅広い用途におすすめの逸品です。